
シングルマザーにおすすめする『電気主任技術者』
2019/01/17
今回シングルマザーにおすすめする資格として深掘りしていくのが『電気主任技術者』です。
この『電気主任技術者』という資格はご存知でしょうか?
電気主任技術者は、工場やビルの高圧電力の管理・保全をするための資格です。
また、工場やビルの設置者は電気事業法に基づいて電気主任技術者を置かないといけません。高圧電力の責任者というわけですね。
国家試験であり、この試験の名前が「電気主任技術者試験」というところから、略して「電験」や「電験○種」ということもあります。
工場やビルは一般家庭と違って、大量の電気を消費します。一般家庭では電圧は100ボルトですが、工場やビルでは6,600ボルト、時には6万6,000ボルトという非常に高い電圧で電気を一括仕入れしているんです。
その高圧電気を施設ごとにある「電気室」で用途別の電圧に変えてから、各テナントや施設に分配しています。
電気主任技術者の仕事
電気主任技術者の仕事は大きく分けて2つあります。
○施設のオープン時に、電気設備がきちんと運用できるか、安全面の問題がないかをチェックして、監督者として国に提出すること。
○電気の安全についての定期点検やメンテナンスを行うこと。
つまり、工場やビルなど、建物がある限り電気技術主任の資格保有者は必要とされるというわけです。
電気主任技術者の資格は、3種類あります。
第一種ではすべての電気工作物について選任を受けることができますが、ここではより需要のある第二種、第三種に絞ってお話していきましょう。
資格の区分は、
○第二種電気主任技術者は、17万ボルト未満の電気工作物に対して有効。
○第三種電気主任技術者は、5万ボルト未満の電気工作物に対して有効。
となっています。
電気主任技術者の試験
受験資格はなく、学歴・年齢・性別の他、国籍も制限はありません。
試験は一般財団法人電気技術者試験センターが年に1回、例年9月上旬の日曜日に全国で行います。そして、一度合格してしまえば更新の必要がない点も魅力ですね。生涯有効となるわけですから。
受験者の割合としては、すでに電気関係の仕事をしている人が多いのですが、それ以外の職種で合格している人もいます。
必ずしも電気関係の仕事に従事していないと合格できない試験ではありません。
試験科目は、第二種が1次試験でマークシート方式の科目が「理論」「電力」「機械」「法規」と4種あり、2次試験の記述方式では「電力・管理」「機械・制御」の2科目となっています。
第三種はマークシート方式で「理論」「電力」「機械」「法規」とあり、それぞれの科目ごとに採点されます。
第二種の1次試験、第三種の出題範囲は、
○理論:電気理論、電子理論など。
○電力:発電所及び変電所の設計及び運転、送電路線及び配電路線(屋内配線含む)など。
○機械:電気機器、照明、電熱、メカトロニクス及び電力システムに関する情報及び処理など。
○法規:保安に関する電気法規及び電気施設管理。
第二種の2次では、
○電力・管理:発電所及び変電所の設計及び運転、送電路線及び配電路線(屋内配線含む)の設計及び運用、並びに電気施設管理。
○機械・制御:電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス。
となっています。ちょっとややこしそうですが、電気に的を絞った試験なので、その点は助かります。
試験の合格点は毎年微妙に変わりますが、第三種が100点中55点以上、第二種の1次が理論だけ90点満点中55点以上、他は100点中60点以上となっています。2次では約50%以上が合格ラインのようです。
そして、合格率は第三種が約8%。第二種の1次が約22%、2次が約12%となっているので総合的には2%強というかなり難しい試験です。
国家試験のなかでもハイレベルなものとして挙げられますが、
その分合格すれば需要の絶えない資格だけに一生モノとなるわけです。
電気主任技術者の勉強方法
勉強方法は、マークシート方式では問題中にヒントがあるために二種、三種ともにさほど苦労はありませんが、問題は二種の2次試験です。
完全記述式ですべて自分で考えて答えを書かないといけないので、広く浅くは通用しません。
スクールでみっちり勉強するのがベストですが、二種になると2年計画で勉強するという人もいます。
ちなみに、試験には「科目合格留保制度」というものがあり、二種の1次と三種において合格した科目は、合格年を含めて3年間有効となっているので、仮に不合格だったとしても次回の試験では合格した科目が免除されます。
また、二種の2次試験受験資格は、1次試験の合格年を含めて2年有効なので、こちらも仮に2次に不合格だった場合でも、翌年までは1次試験が免除されます。
受験料は第二種が12,800円、第三種が5,200円ですが、ネット申し込みだと若干安くなります。
電気主任技術者の将来性と収入
晴れて合格すると、希少価値の高さから社会的な評価も高くなります。
第三種でも多くの人が持っている資格ではないので、電気関連の設備会社に就職したり、転職をするには有利ですし、第二種は大手企業からのニーズが高くなります。
ビル管理会社や工場など、その範囲は二種を超えるので活躍の場は多くなるでしょう。さらに二種なら独立して会社を立ち上げることも可能なレベルです。
平均年収は、すでに社員の場合は月給に手当てが付くほどですが、独立していれば平均500万~600万円といわれています。
自営でこの金額なら安くはないでしょう。何より、電気主任技術者には定年がありません。
一般的に「電験三種を持っていれば、定年後も職に困らない」というくらいですから、長期的に見れば大きな財産となるわけです。
難易度は高い資格ですが、資格取得後は選択の幅が広がるのが電気主任技術者です。
だからこそ将来の生活に不安を感じるシングルマザーの方にぜひチャレンジして欲しい資格です。