
シングルマザーにおすすめする『危険物取扱者』
2019/01/17
今回シングルマザーにおすすめする資格として深掘りしていくのが『危険物取扱者』です。
危険物取扱者という資格を耳にする機会は皆さんもあると思います。代表的なところではガソリンスタンドでしょう。
危険物取扱者の資格
では、危険物取扱者とは具体的にどのような資格なのでしょうか。
カンタンに言ってしまえば名前の通り「危険物を取り扱うのに必要な国家資格」です。
具体的には、火災の危険性が高い物質が「危険物」として消防法で指定されています。皆さんの生活に身近で火災の危険性が高いモノということで、ガソリンの取り扱いも資格が必要なわけです。
危険物取扱者の資格は大きく「甲種(こうしゅ)」「乙種(おつしゅ)」「丙種(へいしゅ)」の3種類に分けられます。
ちなみに「甲乙丙」と序列が下がるので、一番上位の資格が甲種となるわけです。
○甲種・・・全6種類、すべての危険物を扱える。
○乙種・・・全6種の中で、試験に合格した危険物を扱える。
○丙種・・・乙種の第4類の中で、指定された危険物だけ扱える。
ということは、丙種は取り扱える危険物がほとんどないということです。
ですから、ここからは主に甲種と乙種について見ていきましょう。
一定以上の数量の危険物を貯蔵したり取り扱う場合、必ず危険物取扱者を置かなければいけません。例えば化学工場や石油貯蔵タンク、タンクローリー、ガソリンスタンドなどがあります。
「置く」というのは、危険物取扱者が取り扱いだけでなく、定期点検や保安の監督も仕事の内容になるからです。
逆にいえば危険物取扱者免状を持った人が「危険物保安監督者」として置かれていれば、一般人でもガソリン、軽油、灯油などを取り扱えるために、セルフ式のガソリンスタンドは営業ができるわけです。
危険物取扱者は国家資格のために試験があります。一般的に「危険物取扱者の免状を有するもの」を危険物取扱者といいますが、正式には消防法に基づく資格のことを同じ呼び方で指す場合もあります。
危険物取扱者の受験資格
さて、受験資格ですが、乙種と丙種は受験資格はありませんが、甲種だけは下の5つある条件の内、ひとつ以上を満たしていないといけません。
(1)大学などで化学に関する学科を修めて卒業している者。
(2)大学などで化学に関する授業科目を15単位以上修得している者。
(3)乙種危険物取扱者免状の交付後に、2年以上実務経験を有している者。
(4)次の乙種危険物取扱者の内、4種類以上の免状を有している者。
①第1または第6類、②第2または第4類、③第3類、④第5類
(5)博士、修士の学位を持ち、化学に関する事項を専攻している者。
この中で4番目の条件がややこしそうですが、簡単にいえば乙種全6類の内、どれか4類に合格していれば資格があるということです。
やはり、受験資格が設けられている分ハードルは高く思えますが、甲種に合格すれば取り扱える危険物もグッと増えるわけです。
危険物取扱者の資格試験
試験は、各都道府県の消防試験研究センターの支部が年間2~6回ほど実施していますが、受験者が多い乙種第4類だけはほぼ毎週東京で行われています。
受験地に制限がなく、住んでいる都道府県以外でも受験できるのは働いている人にとってはありがたい制度です。
試験はすべてマークシート方式で、
乙種は、
○危険物に関する法令
○基礎的な物理学及び基礎的な化学
○危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法
甲種は、
○危険物に関する法令
○物理学及び化学
○危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法
という内容になっており、どちらも3つの科目がそれぞれ60%以上の正解で合格となります。
つまり、1科目でも落としてしまうと不合格となってしまうので、平均して勉強しないといけません。
そのため、試験日が決まったら3ヶ月前には教材を用意しましょう。主に「法令」「化学」「性質」の3分野に分かれるので、偏りがないように勉強してください。
1ヶ月前には問題を解くようにして、2週間前には模擬試験を受けられるようにするのが理想です。
合格率は、乙種第4類を除く5種類が約60%、乙種第4類が約30%、甲種が約30%となっています。
乙種第4類(乙4)だけ合格率が低いのは、企業や工業高校で受験を課せられている人が多く、受験者が多いことと、乙4に合格すれば他の乙種試験において「法令」「物理学と化学」の2科目が免除されるため、乙4に比べて合格者が多くなることなどがあります。
では、なぜ乙4だけ受験希望者が多いのかというと、第4種にはガソリン・灯油・重油・軽油などの燃料や、トルエンやベンゼンといった有機溶剤などが含まれていて、社会的な需要が高いためです。
前者はガソリンスタンドなどで、後者は生産工場などですぐに役立つ資格です。
ちなみに甲種は、保安監督者として働けるので、より規模の大きい化学工場や、燃料貯蔵施設などで働くこともできます。
また、物理学や化学の知識も必要となるため、危険物取扱者は企業の研究開発にも役立つことができるんです。
危険物取扱者の年収
気になる年収ですが、危険物取扱者の3種類を合わせた平均年収は約500万円。
国家資格にしては低いように思えますが、どこに就職するかによってかなり変わってくる資格でもあります。
例えば、ある大手企業では第一種資格取得手当てということで、時給3,000~10,000円が給与とは別に支払われたり、何かしらの特別手当を支給しているところがほとんどです。
さらに職種でも、甲種なら石油精製プラントの保全を行う会社の場合の平均年収は約590万円、大量の燃料を扱う発電所勤務では平均約620万円と、若干の差があります。
あとは、自分がどういう仕事を選ぶかで決まります。
ただし、危険物取扱者の最大のメリットは社会的にニーズが高く、団塊世代の定年退職によって、今後更なる需要が求められる資格だということなのです。
難易度は高い資格ですが、資格取得後は選択の幅が広がるのが危険物取扱者です。
だからこそ将来の生活に不安を感じるシングルマザーの方にぜひチャレンジして欲しい資格です。
◯危険物取扱者の学習が初めての方
◯危険物取扱者の基礎学習が修了していない方
◯仕事の関係で危険物取扱者の資格が必要になった方
◯危険物取扱者資格を取得し、キャリアアップをしたい方